「人生100年時代」と「老後2,000万円問題」
2019年当時ニュースでも多く取り上げられたため、このパワーワードでお金に不安を感じた日本人は決して私だけではないはずです。
私も当時はアラフォー世代、今は40代になりましたが、このニュースには衝撃を受けました。
たいした貯金もなく、子どもの教育費や老後資金もプランなし、今話題の積み立てNISAやiDeCoなどの投資も未経験。
なんとか会社の企業型確定拠出年金と持株会で積み立てをしている程度です。
(これは幸い利益が出ていました)
「人生100年時代」と「老後2,000万円問題」が大きな不安の種に。
不安。この不安はどうすれば取り除くことができるのか。
何もしないと人生は変えられない。
30代、40代、50代、自分で気づいたときに行動することでしか、この問題は解決できないんです。
◆お金の勉強してますか?
◆人生100年時代のライフプランはありますか?
◆お金の専門家であるFPに相談するのも選択肢の1つ
今では、「人生100年時代」という言葉には、単純に高齢化が進んでいるという話ではなく、ライフプランや働き方を変える大きな意味があると感じています。
当記事では、「老後2,000万円問題」の背景と、「人生100年時代」を生き抜くためのマネーリテラシーの育て方について発信します。


売上高4兆円企業で15年経理を担当している、まなびばです。
異動を通じて、損益管理、会計、税務申告まで幅広く経験しています。
簿記2級、FP2級も取得。
サラリーマンの「お財布」の悩みを救うため、今すぐ役立つ知識を発信しています。
FP2級取得でマネーリテラシーを身につける

「老後2,000万円問題」と「人生100年時代」という大きな問題を知ってから、マネーリテラシーの必要性を実感しました。
◆住宅は賃貸と持ち家どっちがいい?いくらまでなら払えるか。
◆子どもの教育費はいくら必要?
◆夫婦の老後資金はいくらあったら安心?
◆今の生活は犠牲にしたくない。
人生で必要なお金をイメージできない。
不安でいっぱいになるけど、どうしたらいいかわからない。
まずはお金の基本を理解し、自分のライフプランや家計管理を考えたい。
このような思いからFP試験を受けることを決断しました。
1.ライフプランニングと資金計画
社会保険と年金、いくら払っていくらもらえるか説明できますか?
2.リスク管理
生命保険、医療保険、損害保険は何に備える保険ですか?
3.金融資産運用
貯蓄から投資へ。投資は詐欺とか言ってる場合じゃない
4.タックスプランニング
会社員でも所得税や住民税の知識は必須。税金知らずにお金は貯められない
5.不動産
持ち家派or賃貸派?不動産の法律や税金の知識がないと失敗します
6.相続・事業承継
70代の両親と贈与や相続についての話はできますか?
「老後2,000万円問題」をきっかけに、お金について考える人が増えました。
年金では生活できない、自分の身は自分で守るしかない。
お金の知識は、自分や家族が人生の節目でどういう選択をすべきなのかを合理的に判断し、より良い方向に進むことに役立ちます。
「老後2,000万円問題」の真実

「老後2,000万円問題」
あなたはこの内容を自分の言葉で説明できますか?
「老後2,000万円問題」は、は2019年(令和元年)6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表されたことをきっかけに始まりました。
その報告書で、人生100年時代の老後を生きるためには自己資金が2,000万円必要だと発表され、当時のニュース等で大きな反響がありました。
報告書では、高齢夫婦無職世帯(夫65歳、妻60歳)の平均的な収入(209,198円/月)と支出(263,718円/月)の差額となる約55,000円が毎月の赤字額として定義しています。その赤字額を貯蓄の取崩しで30年間対応した場合、55,000円×12ヶ月×30年間=1,980万円(≒約2,000万円)必要だというのが計算根拠です。
この計算根拠を見て、あなたはどのように感じましたか?
◆老後2,000万円必要とかオワコン
◆年金では生活できない。何歳まで働かなあかんの?
◆自分の場合、どれくらいのお金が必要?
◆節約しないと。副業もいいな。投資も始めた方がいいかな?
◆貯めた2,000万円を運用しながら取崩ししたらもう少し長持ちするはず。
そう、あなたの立場で考えることが重要なんです。
この計算根拠は、平均的な収入と支出から計算したものであって、あなたの生活とは異なります。
報告書にもそのように記載されていますが、ニュースではそのように伝わっていませんね。
今後ますます長寿化する私たち日本人としては、年金以外で賄うべき金額をあなた自身で考えることが重要です。
「人生100年時代」日本人は何歳まで生きるのか
毎年7月、厚生労働省は日本人の平均寿命を発表しています。
ですが、日本人は平均寿命より長生きです。
どういうこと?
実は、平均寿命ではなく、平均余命という指標が鍵になります。
さらに、健康寿命についても触れることで、日本人の寿命と介護について考えましょう。
平均寿命と平均余命の違い
2022年7月に厚生労働省から発表された「令和3年簡易生命表の概況」によると、2021年の日本人の平均寿命は、男性81.47歳、女性87.57歳となっています。
あなたが長生きについて考えるとき、「私は今〇歳やから平均寿命より〇年上(〇年下)やわ」と考えていないでしょうか。
実は、この方法は間違いで、「今〇歳の人があと〇年生きられる」という指標は、平均寿命ではなく平均余命と比較しなければなりません。
平均寿命:0歳のときの平均余命(男性81.47歳、女性87.57歳)
平均余命:今〇歳の人があと〇年生きられる(例:70歳男性の平均余命は15.96歳=85.96歳)
平均余命は平均寿命より長い
以下の表で、年齢別の平均余命一覧を整理してみました。
表の見方は、「今〇歳の男性(女性)の平均余命は〇歳だから平均余命をふまえた実年齢は〇歳」となります。
たとえば、老後を意識する70歳男性の場合、「平均余命は15.96年なので、85.96歳まで生きられる可能性が高い」という見方です。
男性の平均寿命81.47歳やのに85.96歳!?
(女性の場合は、平均寿命87.57歳やのに90.31歳!?)
平均寿命超えてるやん
そうなんです。
平均寿命は、0歳のときの平均余命を示しています。
よって、日本人は高齢になればなるほど、平均寿命を超えて長生きする可能性が高まるのです。
男性の場合、70歳時点では平均寿命より約4年、80歳になると約8年長生きします。
女性の場合は、70歳時点で約3年、80歳になると約5年長生きします。
老後資金や親の介護を考える上でも、忘れてはいけない重要な指標です。
年齢 | 男性 平均余命 | 年齢 | 女性 平均余命 | 年齢 |
---|---|---|---|---|
0歳 | 81.47 | 81.47 | 87.57 | 87.57 |
10歳 | 71.70 | 81.70 | 77.78 | 87.78 |
20歳 | 61.81 | 81.81 | 67.87 | 87.87 |
30歳 | 52.09 | 82.09 | 58.03 | 88.03 |
40歳 | 42.40 | 82.40 | 48.24 | 88.24 |
50歳 | 32.93 | 82.93 | 38.61 | 88.61 |
60歳 | 24.02 | 84.02 | 29.28 | 89.28 |
70歳 | 15.96 | 85.96 | 20.31 | 90.31 |
80歳 | 9.22 | 89.22 | 12.12 | 92.12 |
90歳 | 4.38 | 94.38 | 5.74 | 95.74 |
健康寿命との比較で介護について考える
厚生労働省は、平均寿命や平均余命以外にも3年に一度、健康寿命を公表しています。
2021年12月公表の「健康寿命の令和元年値について」では、2019年の健康寿命が以下のとおり発表されています。
2019年時点の健康寿命は、男性72.68歳、女性75.38歳です。
平均寿命と健康寿命の差となる不健康寿命は、男性8.73年、女性12.07年となります。
男性 | 2010 | 2013 | 2016 | 2019 |
平均寿命 | 79.55 | 80.21 | 80.98 | 81.41 |
健康寿命 | 70.42 | 71.19 | 72.14 | 72.68 |
不健康寿命 | 9.13 | 9.02 | 8.84 | 8.73 |
女性 | 2010 | 2013 | 2016 | 2019 |
平均寿命 | 86.30 | 86.61 | 87.14 | 87.45 |
健康寿命 | 73.62 | 72.41 | 74.79 | 75.38 |
不健康寿命 | 12.68 | 12.40 | 12.35 | 12.07 |
しかし、ここで考えてほしいのは、「平均余命は平均寿命より長い」ということです。
健康寿命の年代である70歳時点の平均余命は、男性85.96歳、女性90.31歳。
よって実際に介護が必要な期間は、平均寿命と健康寿命から逆算した不健康寿命よりも長くなります。
親の介護や自分自身のライフプランを設計するときには、平均寿命ではなく、平均余命と健康寿命の差を不健康寿命として考えます。
老後への備えは、国やニュースなどの情報よりもより厳しい条件となることを十分理解しておくことが重要です。
◆健康寿命:日常生活に制限のない期間の平均値
2019年は男性72.68歳、女性75.38歳
◆不健康寿命(平均寿命-健康寿命):日常生活に制限のある期間の平均値
2019年は男性8.73年、女性12.07年
◆平均余命は平均寿命より長いため、不健康寿命はさらに長くなる
70歳の平均余命は男性85.96歳、女性90.31歳で、平均寿命より3~4年長い
◆老後への備えは、国やニュースなどの情報よりも厳しめに評価する必要あり
人生100年時代のライフプランを描いてみよう

人生100年時代という充実した「時間」を生き抜くためには、まず「健康」が第一です。「健康」で活力のある毎日を過ごしたい。その毎日を実現するために必要なのが、そう「お金」です。
人生100年を私の趣味のマラソンに例えてみましょう。42kmをやみくもに走っていたらすぐにバテてしまい完走はできません。ペース配分をしっかり考え、給水や給食をするタイミングも事前に決めて臨みます。
これを人生に置きかえると、自分のゴールを決めてその過程でいつ何をするのか、それを考えるのが「ライフプラン」です。
- 就職
収入、ステータス、やりがい、どうやって会社を選びましたか?
入社当時と現在、考え方に変わりはないですか? - 転職
会社の平均寿命知ってますか?終身雇用も過去の話。
収入も働き方も自分の価値観を大切に。 - 結婚&出産
結婚して子どもを産むのにいくらかかる?
結婚も出産もお金の話じゃない?そういう考え方もあるけど、
お金がないと続けられない。 - 住宅購入
賃貸と持ち家どっち?住宅ローンは固定or変動?
これもお金と価値観を選ぶ永遠のテーマ。 - 子育てと教育費
公立と私立、文系理系で大きく変わりますね。
子どもの将来、どこまで応援しますか? - 老後の生活
何歳まで生きますか?それは誰にもわからない。
FPに相談するのも1つの選択肢

人生100年時代を生き抜くために、自分でお金の勉強をするのはもちろんですが、ライフプラン設計に特化したFP無料相談を行うという選択肢もあります。
人生100年時代をどう生きるか
「自分は何歳まで生きるのか」
先ほど、平均寿命と平均余命、健康寿命の話をしましたが、人は何歳まで生きられるのかを完全に予想することはできません。
完全に予想することができないからこそ、人生100年時代のライフプランと向き合い、考えておくことが重要です。
こんなに生きるつもりじゃなかった。
退職後に、お金が足りなくなれば、子どもに面倒をみてもらうことにもなりかねません。
子どもを育てたのだから困ったときはお互い様。
こんな考え方もあるかもしれませんが、やっぱり子どもには負担はかけたくないですよね。
老後、子どもに負担をかけないようにするためには、現役時代の準備が必要になります。
現役時代には、就職や転職、結婚・出産、住宅取得、子育てなど、それぞれのタイミングで自分はどうすべき、どうしたいのかを選択し、1つずつライフプランを実現することが大切です。
そして、ライフプランの実現はお金とセットで考える必要があります。
住宅取得を例にすると、持ち家or賃貸、戸建てorマンション、新築or中古などにより、必要な金額は大きく異なります。
子どもの教育費も同様です。
公立or私立、文系or理系、一人暮らしをするかしないかなどで変わりますよね。
就職や転職で自分の収入の柱を確保し、自分は何歳まで働くかなどを見据えて長期的な視点で考えることは、人生の選択肢を増やすことにつながります。
大切なのは自分で考えて決断すること
インターネットで調べれば、お金の情報はいくらでも出てきます。
でも、その情報があなたにとって正しい情報なのかを見極める能力が必要です。
インターネット上では、「30代夫婦共働き、40代夫婦子ども2人の平均的な家計はこれ」といった記事があふれていますが、あなたの家計はもちろん、平均的な家計の世帯はどこにもありません。
日々の家計、趣味、住宅や教育事情、老後資金などについて、あなたの家庭はどうしたいかを自分で考えて決断することが重要です。
例えば「積み立てNISA iDeCo どっち」って検索してみてください。
「積み立てNISAが有利」、「この場合はiDeCo」、「積み立てNISAとiDeCoの併用」など様々な情報が飛び交っています。
あなたはこの無限にある情報から正しい情報を自分で考えて決断しなければなりません。
このような一般的な情報ではなく、自分に合った決断をするための情報を得る手段の1つとして、FPへの無料相談があります。

FP相談で自分に合った専門家の意見を聞く
お金について不安を感じるのは、進むべき道がはっきり定まっていないからです。
それもそのはず。
人は何歳まで生きれるかわからないし、1つの答えがあるわけでもありません。
お金の勉強をしたことがないからわからないという漠然とした不安もある。
お金の相談をしたい。
でも、友達や知り合いにお金の相談をするのはちょっと抵抗がある。
そのような場合には、第三者となるお金の専門家であるFPに相談するのです。
第三者への相談であれば、自分が知らないことを恥ずかしがることないし、友達や知り合いには話せないような悩みも相談することができます。
しかも相手はFPというお金の専門家。
ライフプランや家計の赤字解消、子どもの教育費や老後資金など、お金にまつわる人生のあらゆる相談ができます。
重要なことは1つ。最後に決めるのは自分自身。

FP資格の勉強で偏りのないお金の知識を身につける
ここまで読んでくださりありがとうございます。
人生100年時代を豊かにくらすためにはやはりお金の知識は必須です。
お金をうまく貯める、稼ぐ、増やすことは、人生の選択肢を増やすことにつながります。
FP資格を最短の時間で効率よく取得することで、お金の知識を自分のよりよい生活のために使いましょう。
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